こんにちは。就労移行支援事業所Re:cafeです。
浸透圧という言葉をよく聞いているかと思いますが、その仕組みについて理解していますか。
今回のブログでは、浸透圧の意味、活用例について考えてみようと思います。
浸透圧とは濃度の異なる2つの液体が半透膜を隔てて隣合っている時、濃度を均一にしようとして濃度の薄いほうから濃いほうへ移動する力の事を言います。半透膜は水などの小さな分子は通るが塩、糖などの大きな水分子は通さない性質を持つ膜の事を言い、生物の細胞膜も半透膜の性質があります。
体内での浸透圧では細胞膜を介した細胞内の水分や物質の移動を抑制し、細胞の働きを保つ、根の細胞と土壌の濃度の差による浸透圧の働きがあります。
また、医療で使用される点滴液は体内の血液の浸透圧と同じ濃度(等張液)に調整されております。
これは細胞が急激に水を出し入れして傷ついたり、膨張、収縮したりすることを防ぐ働きがあります。
腎臓の働きが悪くなった時の治療で、人口の半透膜を介して血液中の老廃物や余分な水分を体外へ取り除くのに浸透圧が利用されます。
※写真はイメージです。

食品では野菜を塩、糠などの濃度の高い液につけると、浸透圧により野菜の細胞から水分が外へ引き出され、味がしみこみやすく、水分が減ることにより腐敗の原因となる微生物の活動を抑制することになります。
魚の塩漬け、果物を砂糖で煮詰めるのも同様で、濃度を上げて微生物の増殖を防ぎます。
エネルギー分野では海水と河川水の濃度差がある水を使い、半透膜を介して合わせ、浸透圧で水が移動する力を利用してタービンを回し発電する浸透圧発電。海水に浸透圧以上の圧力をかけて半透膜を通すことで水分子だけを取り出し、海水から真水を作る逆浸透もあります。
濃度の比較による分類として、等張液は基準液とほぼ同じ浸透圧で水分の出入りが少なく、体液と同じなので負担が少ない。
低張液は基準液より低い浸透圧で体内に水分が浸透しやすい。
高張液は基準液より高い浸透圧で体外へ水分が引き出されやすい特徴があります。
生体内の液体の浸透圧で溶けている物質の分子の大きさによって、浸透圧を区別する方法。
血液中で水に溶けているすべての溶質によって生じる浸透圧を血漿浸透圧と言い、電解質やグルコースのような低分子の物質があります。
膠質浸透圧は血液中のたんぱく質などの大きな分子によって生じる浸透圧で、血管の壁を通過しにくいため、血管内に水分を保持しようとする力として働きます。主体は血漿タンパク質という高分子の物質で、血管内の水分を血管外の組織へ漏れ出さないように血管内に引き戻す働きがあり、体内の水分バランスを保っています。
このように体内においても重要な役割を果たしているのでしたら、浸透圧についてもっと深く知る必要がありますね。
